隠し部屋
ここは【隠し部屋】です!
ちょっと表ではどうかな?と言うような内容のモノをUPしますので閲覧はご注意ください。
問い合わせいただくことがあるので、PASSのヒント(kkir◯◯◯◯◯◯◯◯です)
※は大人向けです。
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思い出すのはいつも困った笑顔。
もっといろいろな顔を知っていたと思うのに、ふとした瞬間に浮かぶのはそんな表情ばかりだ。
他人は自分を写す鏡だと言うけれど、もしかしたらイルカも同じ顔をしていたのかもしれない。
だけどあのときは、そんなことを考える余裕すらなかった。
カカシに重荷だと思われないように。
ただただ必死で自分の気持を押し殺して、遊び慣れたように振る舞った。
だけどその後の自己嫌悪は凄まじいもので、カカシが帰った部屋の中で一人鬱々としていたっけ。
カカシが誰かといるのを見かけるのが辛くて、受付では作り笑顔を貼り付けてすごした。
そういえば、同僚にもカカシにも大丈夫かと聞かれることが多かった気がする。
気持ちひとつ隠し切ることができないなんて、修行不足も甚だしい。だから俺はいつまで経っても中忍なのかな。
自嘲して、イルカはそれでもと思う。
自分なりにうまくやっていたじゃないか。
仕事だって充実していたし、カカシといると可愛い教え子たちの近況を知ることができて嬉しかった。抱かれることに抵抗がなかったと言えば嘘になるけれど、強靭な腕に抱かれて貫かれるたびに我を忘れて快楽に溺れた。
―――いつか終わりが来るとわかっていたから。
後腐れが無いよう奔放に振る舞ったし、カカシにも後ろめたく思ってほしくなかった。
だから後悔なんてしてはいけない。
あの頃の自分を笑い飛ばせるぐらいの努力は、もう十分してきただろう?
「まったくアンタって人は……」
「………?」
瞼に落ちたひんやりとした感触に、深い眠りの底まで落ちていた意識がゆっくりと呼び覚まされていく。イルカはピクリと瞼を震わせた。
「そんなに悲しい顔して寝ないでよ」
ポツリと呟かれた言葉が切なくて。優しく頬を撫ぜた掌に薄目を開ければ、面前で心配気に覗き込んでいる瞳とぶつかった。それが思い出の中の表情とそっくりだったから、イルカは戸惑いながらも眼を瞬かせた。
「気分はどう?」
「……よく寝ました」
「そ」
まだふわふわとした眠りから覚醒していないイルカだ。ぼんやりとしたまま答えると、カカシがゆっくりと顔を近づけてきた。スンッと鼻を鳴らし、何かを確認する。
煙幕の効果はもう切れているはずなのに、カカシの息が頬に触れるたびに身体中を疼かせた甘い痺れが駆け上がってくるような気がした。
ずくりと深いところが甘い疼痛を訴えるのに息を詰める。その様子を勘違いしたのか、カカシが眉間に皺を寄せたまま再び顔を寄せてきた。
額と、僅かに触れた鼻先。
そういえば、身体を重ねたあとのこの人は、なにか言いたげな顔をして俺を覗き込んできたっけ。心配、ともちがう。捨てられた子供みたいな表情の意味は今もわからないままだけれど。
カカシにはそんな顔をしてほしくないと思ったから。
「カカシさん――…」
まだ怠い身体を叱咤して頬に手を伸ばせば、ゆっくりと瞳が見開かれる。
何をそんなに驚いているのだろうと口を開きかけて、勢いよく重なってきた唇に呼吸を奪われた。
抵抗する間もなく物凄い力で抱きすくめられ、身体が密着した。苦しさに拳で硬い背中を打ち付けても、強靭な身体はびくともしなくて。激しい口づけに、声も息もまるごと吸い取られてしまう。
「ア…ッ、や……っ」
苦しい。
息が、できない―――。
苦しさにイルカが呼吸を求めて喘いだ瞬間。襖を叩いた鈍い音に、ピタリと動きを止めたカカシが視線だけを動かして隣を伺う。呼吸が整わないイルカの前で、しーっと指先を唇の先に当て黙っていろとの指示に視線だけで頷いた。
襖の先に控えているのはカカシの指揮する部隊の忍なのだろう。のそりとイルカから離れたカカシが隣の部屋へと向かっていく。
小さな破裂音は結界が説かれた音。再び聞こえた微かな音に、イルカはようやく息をついて身を起こした。襖を隔てた隣室へと耳を澄ます。
気配はカカシを含めてひとつ、ふたつ。
「……足取りはつかめたの?」
「とりあえずは。しかし逃げ足が速く、足取りを別働隊に追わせています」
「へぇ。暗部相手になかなかやるじゃない」
確か子連れだったよねぇ。そんな言葉にピクリと指先が反応した。
間違いない。
タイチ親子だ。
「追い詰めるのはもはや時間の問題かと」
「国境は越えさせないでね。それと………」
潜めた声は聞き取れなかった。
代わりに「先輩?」という訝しむ声が聞こえたが、それも一瞬で気配とともに消えた。
まんじりともせずに襖の開くのを待って、カカシの前へと躍り出た。
いったいどれぐらい時間をロスしてしまったのだろう。
こうしている間にも、タイチたちは暗部に拘束されてしまうかもしれない。
そうなればイルカがタイチを助け出すことは不可能になる。
はやく、はやく二人に追いつかなくては。
暗部が動いている以上一刻の猶予もないが、この男の隙きをつくことなど不可能に近い。ならば指揮権を持つカカシを動かすしかない。
「イルカ先生…ッ!」
「話を、聞いてください」
立ちふさがったイルカを前に、頬を染めたカカシが眼のやり場に困ると言った体で視線をそらす。
ついで、うめき声とともに「あぁもう、ほんと信じられない」などと頭を抱えられてムッとした。
一体何だというのだ。
「カカシさんっ!!」
「聞きますから、とりあえずなにか着てください」
「は!? え? わ…! ……―――ぎゃっ!!」
自分を抱きしめる形で腕を交差し、ふくよかな胸を隠してしゃがみこんだ。だいたい先程まで好きにしていた身体を前に顔を赤らめるのも、変化しただけの身体だというのに女みたいに恥ずかしがるのもおかしな話だ。
カカシが心底困ったみたいに照れるから。
伝染っちまったじゃねぇか。
ふわりと肩に掛けられた忍服に顔を上げて、真っ赤な顔のまま向き合った。
「あ〜、変化は解けますか?」
「――――ッ!!」
チャクラは戻ったかと尋ねられて、イルカは未だかつてない速さで印を結んだ。
もっといろいろな顔を知っていたと思うのに、ふとした瞬間に浮かぶのはそんな表情ばかりだ。
他人は自分を写す鏡だと言うけれど、もしかしたらイルカも同じ顔をしていたのかもしれない。
だけどあのときは、そんなことを考える余裕すらなかった。
カカシに重荷だと思われないように。
ただただ必死で自分の気持を押し殺して、遊び慣れたように振る舞った。
だけどその後の自己嫌悪は凄まじいもので、カカシが帰った部屋の中で一人鬱々としていたっけ。
カカシが誰かといるのを見かけるのが辛くて、受付では作り笑顔を貼り付けてすごした。
そういえば、同僚にもカカシにも大丈夫かと聞かれることが多かった気がする。
気持ちひとつ隠し切ることができないなんて、修行不足も甚だしい。だから俺はいつまで経っても中忍なのかな。
自嘲して、イルカはそれでもと思う。
自分なりにうまくやっていたじゃないか。
仕事だって充実していたし、カカシといると可愛い教え子たちの近況を知ることができて嬉しかった。抱かれることに抵抗がなかったと言えば嘘になるけれど、強靭な腕に抱かれて貫かれるたびに我を忘れて快楽に溺れた。
―――いつか終わりが来るとわかっていたから。
後腐れが無いよう奔放に振る舞ったし、カカシにも後ろめたく思ってほしくなかった。
だから後悔なんてしてはいけない。
あの頃の自分を笑い飛ばせるぐらいの努力は、もう十分してきただろう?
「まったくアンタって人は……」
「………?」
瞼に落ちたひんやりとした感触に、深い眠りの底まで落ちていた意識がゆっくりと呼び覚まされていく。イルカはピクリと瞼を震わせた。
「そんなに悲しい顔して寝ないでよ」
ポツリと呟かれた言葉が切なくて。優しく頬を撫ぜた掌に薄目を開ければ、面前で心配気に覗き込んでいる瞳とぶつかった。それが思い出の中の表情とそっくりだったから、イルカは戸惑いながらも眼を瞬かせた。
「気分はどう?」
「……よく寝ました」
「そ」
まだふわふわとした眠りから覚醒していないイルカだ。ぼんやりとしたまま答えると、カカシがゆっくりと顔を近づけてきた。スンッと鼻を鳴らし、何かを確認する。
煙幕の効果はもう切れているはずなのに、カカシの息が頬に触れるたびに身体中を疼かせた甘い痺れが駆け上がってくるような気がした。
ずくりと深いところが甘い疼痛を訴えるのに息を詰める。その様子を勘違いしたのか、カカシが眉間に皺を寄せたまま再び顔を寄せてきた。
額と、僅かに触れた鼻先。
そういえば、身体を重ねたあとのこの人は、なにか言いたげな顔をして俺を覗き込んできたっけ。心配、ともちがう。捨てられた子供みたいな表情の意味は今もわからないままだけれど。
カカシにはそんな顔をしてほしくないと思ったから。
「カカシさん――…」
まだ怠い身体を叱咤して頬に手を伸ばせば、ゆっくりと瞳が見開かれる。
何をそんなに驚いているのだろうと口を開きかけて、勢いよく重なってきた唇に呼吸を奪われた。
抵抗する間もなく物凄い力で抱きすくめられ、身体が密着した。苦しさに拳で硬い背中を打ち付けても、強靭な身体はびくともしなくて。激しい口づけに、声も息もまるごと吸い取られてしまう。
「ア…ッ、や……っ」
苦しい。
息が、できない―――。
苦しさにイルカが呼吸を求めて喘いだ瞬間。襖を叩いた鈍い音に、ピタリと動きを止めたカカシが視線だけを動かして隣を伺う。呼吸が整わないイルカの前で、しーっと指先を唇の先に当て黙っていろとの指示に視線だけで頷いた。
襖の先に控えているのはカカシの指揮する部隊の忍なのだろう。のそりとイルカから離れたカカシが隣の部屋へと向かっていく。
小さな破裂音は結界が説かれた音。再び聞こえた微かな音に、イルカはようやく息をついて身を起こした。襖を隔てた隣室へと耳を澄ます。
気配はカカシを含めてひとつ、ふたつ。
「……足取りはつかめたの?」
「とりあえずは。しかし逃げ足が速く、足取りを別働隊に追わせています」
「へぇ。暗部相手になかなかやるじゃない」
確か子連れだったよねぇ。そんな言葉にピクリと指先が反応した。
間違いない。
タイチ親子だ。
「追い詰めるのはもはや時間の問題かと」
「国境は越えさせないでね。それと………」
潜めた声は聞き取れなかった。
代わりに「先輩?」という訝しむ声が聞こえたが、それも一瞬で気配とともに消えた。
まんじりともせずに襖の開くのを待って、カカシの前へと躍り出た。
いったいどれぐらい時間をロスしてしまったのだろう。
こうしている間にも、タイチたちは暗部に拘束されてしまうかもしれない。
そうなればイルカがタイチを助け出すことは不可能になる。
はやく、はやく二人に追いつかなくては。
暗部が動いている以上一刻の猶予もないが、この男の隙きをつくことなど不可能に近い。ならば指揮権を持つカカシを動かすしかない。
「イルカ先生…ッ!」
「話を、聞いてください」
立ちふさがったイルカを前に、頬を染めたカカシが眼のやり場に困ると言った体で視線をそらす。
ついで、うめき声とともに「あぁもう、ほんと信じられない」などと頭を抱えられてムッとした。
一体何だというのだ。
「カカシさんっ!!」
「聞きますから、とりあえずなにか着てください」
「は!? え? わ…! ……―――ぎゃっ!!」
自分を抱きしめる形で腕を交差し、ふくよかな胸を隠してしゃがみこんだ。だいたい先程まで好きにしていた身体を前に顔を赤らめるのも、変化しただけの身体だというのに女みたいに恥ずかしがるのもおかしな話だ。
カカシが心底困ったみたいに照れるから。
伝染っちまったじゃねぇか。
ふわりと肩に掛けられた忍服に顔を上げて、真っ赤な顔のまま向き合った。
「あ〜、変化は解けますか?」
「――――ッ!!」
チャクラは戻ったかと尋ねられて、イルカは未だかつてない速さで印を結んだ。
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