「本当にここで良かったの? イルカさんしょっぱいものが好きでしょ?」
「はい。でも今日は俺、甘いもんの口なんで」
唐揚げにラーメン。とくにラーメンは特濃の味噌豚骨を好んでチョイスするイルカが、ご飯食べと称したカカシとのデートに珍しく可愛らしいパフェなどを指定してきたものだから、スケジュール管理を任されているゲンマは急遽最近噂の甘味処を貸し切りにする為、奔走するはめになった。
二人は今、ゲンマが苦労して押さえた店にて特大のパフェを挟みながら仲睦まじげな様子で微笑み合っているというわけだ。
「うおぉぉっ!! カカカカシさんっ!! このパフェ、すっごく美味しいですっ!」
「そ、良かった」
金魚鉢みたいに巨大なグラスの中にはシロップを含ませたスポンジケーキ。数種類のアイスやクランチを挟んで大量の生クリームがとぐろを巻いている。トッピングされているのはメロンや桃などの季節のフルーツで、トドメとばかりにチョコレートが回しかけられていた。
はっきり言って甘さの粋を極めたと言っても過言ではないパフェである。
見ているだけで軽く胸焼けを覚えるぐらいなのだから、甘いものが苦手なカカシが食べられるはずもない代物だ。
濃いめのブラックコーヒーを口にするカカシに、小首をかしげたイルカが自分のパフェをスッと差し出した。
「カカシさんも一口どうぞ」
「あ〜、オレはお腹いっぱいだから。イルカさんが全部食べていいですよ」
「そうですか…」
そうは言ったものの、納得していないイルカの様子にカカシが少しだけ困ったように眉を下げる。
しばらくの逡巡の後、観念したのかヒクリと口の端を震わせた。
「イルカさんが食べさせてくれるなら、食べてみようかな」
「………」
「だめ?」
「いいどす!」
「じゃあ、少しだけ」
あーんと開けた口の中に、イルカがスプーンで掬い上げた大量の生クリームを放り込む。
わずかに寄った眉が甘いと告げるのに、ゲンマは笑いをこらえるために咥えた楊枝を上下に揺らした。
惚れた弱みとは言え、木の葉組の若頭ともあろう男がよくやるな。
後で吐くかもしれないゲロあまパフェに挑戦するカカシの姿には、呆れを通り越して感嘆さえ覚えてしまう。
だけど甘ったるい生クリームを無理やり飲み込んだ後に、カカシの手が口直しに胸ポケットを探るのを見て、ゲンマはライターを手に立ち上がりかけた。
かけたというのは、カカシが胸ポケットから取り出した煙草の箱を駄目だとばかりにぐしゃりと握りつぶしたからだ。
カカシが禁煙を宣言してかれこれ一週間。
度々訪れる禁断症状という名の誘惑に、視線が握りつぶしたタバコを未練がましく追い、指先は所在無げにコツコツと机を叩いている。
特大パフェにかぶりついていたイルカが、カカシのそんな態度に気づいてチラリと視線を上げた。
「…吸っても構わないどすよ」
「だーめ。すぐ甘やかすんだからイルカさんは」
「我慢は良くないです」
「はは、イルカさんは本当に優しいねぇ」
口寂しさと口内に残る甘みを紛らわす為なのだろう。汗をかいたグラスに口をつけたカカシが、中身を半分ほど飲み干してバツが悪そうに頭を掻く。
この舞妓、食い物にしか興味がないように見えて意外と鋭いらしい。
そんなところがまたカカシのお気に入りである所以なのかもしれないが、当の本人はそれだけ言って再びパフェへと視線を移すと、チョコレートがたっぷりと掛かったアイスクリームを掬い上げた。
どう見ても口よりも大きいそれを頬張ったイルカが、口の周りにはみ出したクリームを舌でぺろりと舐め取る。
そんな姿が可愛くて仕方ないとでも言うように、カカシが指先で口の周りを拭いてやる。
あぁあぁ、そんなに甘やかして。
敵対勢力に対しては背筋も凍るほどの非道さを見せつけるカカシだが、イルカにはつくづく甲斐甲斐しい男なのである。
「でもね、オレが嫌なーの」
「む」
「可愛いイルカさんにタバコの臭いなんてつけられないでしょ」
「………」
「それに…人生で初めての禁煙だから、イルカさんには応援してほしいな」
取り巻きの女達を腰砕けにさせてきた痺れるような甘い声。
しかしイルカといえば、頬張ったアイスをゴクリと飲み込んだだけでニコニコと上機嫌なカカシを見つめて眉を寄せた。
「……応援どすか」
「そ、イルカさんに応援してもらったら、絶対成功すると思うんです」
応援と言われても、禁煙など結局は自分の意思がどれだけ強いかが問題なわけで、他人にどうこうできようはずもない。
しかし何やら難しい顔をして考え込んだイルカは、自前の巾着袋の中をごそごそと漁りはじめた。
「では、これをカカシさんに」
イルカが巾着袋から取り出したものを見て、カカシの動きが一瞬とまる。
なんだ?
確認しようとして身を乗り出したゲンマの目に飛び込んできたのは、可愛いイルカの絵が描かれたおしゃぶりだった。
流石のカカシもイルカの意図がわからないのだろう。困惑を隠しきれずにおしゃぶりとイルカの顔を交互にみやる。
「これって、その」
「ダイエットで口さみしいときに使うやつどす」
「……ダイエット……?」
カカシが首を傾げるのも無理はない。
ゲンマの知る限り、それは赤ん坊の寝かしつけのために使うもので、ダイエットはおろか禁煙グッズですらない物だ。
一体なにをどうしたら、そんな発想がでてくるというのだろう。
しかも肝心のイルカと言えば、ダイエットと言いながら生クリームたっぷりのパフェに夢中ではないか。
「よかったら、使っておくれやす」
ずずいと目の前に差し出され、カカシはおしゃぶりを手にとったまましばし沈黙した。
冷徹のカカシが一介の舞妓に完全にペースを崩されている。
おもしれぇ。
こんな姿、なかなか見られるもんじゃない。
椅子に座り直したゲンマは、もう少し二人の様子を観察することにした。
「イルカさんはこれをしゃぶっているの?」
「……? ほうろすけど」
「そ、なんだ」
スプーンを口に咥えたまま頷いたイルカの前で、カカシがごくりと喉を鳴らすのが見えた。
「イルカさんが咥えたおしゃぶり」
裂傷を受け、閉じっぱなしになっていた左眼が震えながらゆっくりと開いていく。手にしたおしゃぶりを食い入るように見つめ、イルカがスプーンをぺろりと舐めるのに合わせて指先で吸口を摘む。
「そりゃ、たまんないね」
くぅ。喉の奥から堪えるような吐息を漏らすと、そのまま擦るようにして親指で先端を撫ぜた。
その姿がなんだか淫靡で、ゲンマの背筋を冷たいものが走る。
ちょっと待ってくれ。
おしゃぶり一つでいかがわしい妄想展開しているとか、俺の思い違いだよな、若頭?
何やら妙な雰囲気を察し、ゲンマが落ち着きなく椅子から立ち上がったときだった。
「カカシさんも咥えてみてください」
「え?」
「ささっ、思い切ってどうぞ!」
「えっと…こう…?」
勧められるままに、カカシが戸惑いながらもパクリとおしゃぶりを咥えた。
考えてもみてくれ。
大の大人がおしゃぶりなど奇妙極まりないのだが、もともとが顔がとんでもなく整っているだけになんだか様になっていると思うのはゲンマだけだろうか。
いや、何を言っているんだ。
そんなものおかしいに決まっているだろう。
一人頭を抱えるゲンマなど眼にもとめず、カカシは何度かむぐむぐとおしゃぶりに吸い付いた後、舌先で器用に回してみせた。
「どうどす?」
口さみしいとか寂しくないとかの問題ではないと思うのだが。
自信たっぷりのイルカのセリフに、楊枝を激しく上下させながらゲンマが天を仰ぐ。
舌先でくるくるとおしゃぶりを回していたカカシが、妙に悟った顔で頷いた。
「確かに気は紛れるけど、……新しい何かに目覚めそうだーね」
「む?」
頼むから目覚めないでくれ。
木の葉組の若頭が、赤ちゃんプレイなんて笑い話ではすまされない。
ゲンマの心配を他所に、カカシは残り少なくなったパフェを掬い上げるイルカに向かっておしゃぶりを咥えながら微笑んだ。
「ありがとうイルカさん。おかげで禁煙できそうです」
嘘か真か、そう言ったカカシの前で、親指を立てたイルカが得意満面な笑みを爆発させた。
********
「で、いつまで咥えてるつもりっすか?」
「ん〜、まぁいいじゃない」
いかついスーツで花街を歩きながら、おしゃぶりを咥えたカカシが笑う。
輝く銀髪に左眼をまたいだ裂傷と言うただでさえド派手な見てくれに、身長はゆうに180センチを超える大男だ。
そんな男がおしゃぶりなど咥えて歩いているものだから、周囲の注目を集めないわけがない。
チラチラと感じる視線を物ともせず、カカシが上機嫌で口元のおしゃぶりを指さした。
「ダイエットにこんなものを使うなんて、可愛いよねぇ」
「…可愛いっすか?」
「可愛いじゃない。あぁ、実際にイルカさんが咥えているところを見せてもらえばよかったよ」
「はぁ?」
「あのぎゅーっと引き結んだ唇がどうやって咥えるのか、想像しただけでゾクゾクしちゃうよねぇ」
「あんたなぁ……」
いつかオレのもしゃぶってくれるかな。
カカシが発した最低な言葉に絶句して、ゲンマの口からぽろりと楊枝がこぼれ落ちた。
イラスト)山芋のみそ汁ファイト/めじり様
「はい。でも今日は俺、甘いもんの口なんで」
唐揚げにラーメン。とくにラーメンは特濃の味噌豚骨を好んでチョイスするイルカが、ご飯食べと称したカカシとのデートに珍しく可愛らしいパフェなどを指定してきたものだから、スケジュール管理を任されているゲンマは急遽最近噂の甘味処を貸し切りにする為、奔走するはめになった。
二人は今、ゲンマが苦労して押さえた店にて特大のパフェを挟みながら仲睦まじげな様子で微笑み合っているというわけだ。
「うおぉぉっ!! カカカカシさんっ!! このパフェ、すっごく美味しいですっ!」
「そ、良かった」
金魚鉢みたいに巨大なグラスの中にはシロップを含ませたスポンジケーキ。数種類のアイスやクランチを挟んで大量の生クリームがとぐろを巻いている。トッピングされているのはメロンや桃などの季節のフルーツで、トドメとばかりにチョコレートが回しかけられていた。
はっきり言って甘さの粋を極めたと言っても過言ではないパフェである。
見ているだけで軽く胸焼けを覚えるぐらいなのだから、甘いものが苦手なカカシが食べられるはずもない代物だ。
濃いめのブラックコーヒーを口にするカカシに、小首をかしげたイルカが自分のパフェをスッと差し出した。
「カカシさんも一口どうぞ」
「あ〜、オレはお腹いっぱいだから。イルカさんが全部食べていいですよ」
「そうですか…」
そうは言ったものの、納得していないイルカの様子にカカシが少しだけ困ったように眉を下げる。
しばらくの逡巡の後、観念したのかヒクリと口の端を震わせた。
「イルカさんが食べさせてくれるなら、食べてみようかな」
「………」
「だめ?」
「いいどす!」
「じゃあ、少しだけ」
あーんと開けた口の中に、イルカがスプーンで掬い上げた大量の生クリームを放り込む。
わずかに寄った眉が甘いと告げるのに、ゲンマは笑いをこらえるために咥えた楊枝を上下に揺らした。
惚れた弱みとは言え、木の葉組の若頭ともあろう男がよくやるな。
後で吐くかもしれないゲロあまパフェに挑戦するカカシの姿には、呆れを通り越して感嘆さえ覚えてしまう。
だけど甘ったるい生クリームを無理やり飲み込んだ後に、カカシの手が口直しに胸ポケットを探るのを見て、ゲンマはライターを手に立ち上がりかけた。
かけたというのは、カカシが胸ポケットから取り出した煙草の箱を駄目だとばかりにぐしゃりと握りつぶしたからだ。
カカシが禁煙を宣言してかれこれ一週間。
度々訪れる禁断症状という名の誘惑に、視線が握りつぶしたタバコを未練がましく追い、指先は所在無げにコツコツと机を叩いている。
特大パフェにかぶりついていたイルカが、カカシのそんな態度に気づいてチラリと視線を上げた。
「…吸っても構わないどすよ」
「だーめ。すぐ甘やかすんだからイルカさんは」
「我慢は良くないです」
「はは、イルカさんは本当に優しいねぇ」
口寂しさと口内に残る甘みを紛らわす為なのだろう。汗をかいたグラスに口をつけたカカシが、中身を半分ほど飲み干してバツが悪そうに頭を掻く。
この舞妓、食い物にしか興味がないように見えて意外と鋭いらしい。
そんなところがまたカカシのお気に入りである所以なのかもしれないが、当の本人はそれだけ言って再びパフェへと視線を移すと、チョコレートがたっぷりと掛かったアイスクリームを掬い上げた。
どう見ても口よりも大きいそれを頬張ったイルカが、口の周りにはみ出したクリームを舌でぺろりと舐め取る。
そんな姿が可愛くて仕方ないとでも言うように、カカシが指先で口の周りを拭いてやる。
あぁあぁ、そんなに甘やかして。
敵対勢力に対しては背筋も凍るほどの非道さを見せつけるカカシだが、イルカにはつくづく甲斐甲斐しい男なのである。
「でもね、オレが嫌なーの」
「む」
「可愛いイルカさんにタバコの臭いなんてつけられないでしょ」
「………」
「それに…人生で初めての禁煙だから、イルカさんには応援してほしいな」
取り巻きの女達を腰砕けにさせてきた痺れるような甘い声。
しかしイルカといえば、頬張ったアイスをゴクリと飲み込んだだけでニコニコと上機嫌なカカシを見つめて眉を寄せた。
「……応援どすか」
「そ、イルカさんに応援してもらったら、絶対成功すると思うんです」
応援と言われても、禁煙など結局は自分の意思がどれだけ強いかが問題なわけで、他人にどうこうできようはずもない。
しかし何やら難しい顔をして考え込んだイルカは、自前の巾着袋の中をごそごそと漁りはじめた。
「では、これをカカシさんに」
イルカが巾着袋から取り出したものを見て、カカシの動きが一瞬とまる。
なんだ?
確認しようとして身を乗り出したゲンマの目に飛び込んできたのは、可愛いイルカの絵が描かれたおしゃぶりだった。
流石のカカシもイルカの意図がわからないのだろう。困惑を隠しきれずにおしゃぶりとイルカの顔を交互にみやる。
「これって、その」
「ダイエットで口さみしいときに使うやつどす」
「……ダイエット……?」
カカシが首を傾げるのも無理はない。
ゲンマの知る限り、それは赤ん坊の寝かしつけのために使うもので、ダイエットはおろか禁煙グッズですらない物だ。
一体なにをどうしたら、そんな発想がでてくるというのだろう。
しかも肝心のイルカと言えば、ダイエットと言いながら生クリームたっぷりのパフェに夢中ではないか。
「よかったら、使っておくれやす」
ずずいと目の前に差し出され、カカシはおしゃぶりを手にとったまましばし沈黙した。
冷徹のカカシが一介の舞妓に完全にペースを崩されている。
おもしれぇ。
こんな姿、なかなか見られるもんじゃない。
椅子に座り直したゲンマは、もう少し二人の様子を観察することにした。
「イルカさんはこれをしゃぶっているの?」
「……? ほうろすけど」
「そ、なんだ」
スプーンを口に咥えたまま頷いたイルカの前で、カカシがごくりと喉を鳴らすのが見えた。
「イルカさんが咥えたおしゃぶり」
裂傷を受け、閉じっぱなしになっていた左眼が震えながらゆっくりと開いていく。手にしたおしゃぶりを食い入るように見つめ、イルカがスプーンをぺろりと舐めるのに合わせて指先で吸口を摘む。
「そりゃ、たまんないね」
くぅ。喉の奥から堪えるような吐息を漏らすと、そのまま擦るようにして親指で先端を撫ぜた。
その姿がなんだか淫靡で、ゲンマの背筋を冷たいものが走る。
ちょっと待ってくれ。
おしゃぶり一つでいかがわしい妄想展開しているとか、俺の思い違いだよな、若頭?
何やら妙な雰囲気を察し、ゲンマが落ち着きなく椅子から立ち上がったときだった。
「カカシさんも咥えてみてください」
「え?」
「ささっ、思い切ってどうぞ!」
「えっと…こう…?」
勧められるままに、カカシが戸惑いながらもパクリとおしゃぶりを咥えた。
考えてもみてくれ。
大の大人がおしゃぶりなど奇妙極まりないのだが、もともとが顔がとんでもなく整っているだけになんだか様になっていると思うのはゲンマだけだろうか。
いや、何を言っているんだ。
そんなものおかしいに決まっているだろう。
一人頭を抱えるゲンマなど眼にもとめず、カカシは何度かむぐむぐとおしゃぶりに吸い付いた後、舌先で器用に回してみせた。
「どうどす?」
口さみしいとか寂しくないとかの問題ではないと思うのだが。
自信たっぷりのイルカのセリフに、楊枝を激しく上下させながらゲンマが天を仰ぐ。
舌先でくるくるとおしゃぶりを回していたカカシが、妙に悟った顔で頷いた。
「確かに気は紛れるけど、……新しい何かに目覚めそうだーね」
「む?」
頼むから目覚めないでくれ。
木の葉組の若頭が、赤ちゃんプレイなんて笑い話ではすまされない。
ゲンマの心配を他所に、カカシは残り少なくなったパフェを掬い上げるイルカに向かっておしゃぶりを咥えながら微笑んだ。
「ありがとうイルカさん。おかげで禁煙できそうです」
嘘か真か、そう言ったカカシの前で、親指を立てたイルカが得意満面な笑みを爆発させた。
********
「で、いつまで咥えてるつもりっすか?」
「ん〜、まぁいいじゃない」
いかついスーツで花街を歩きながら、おしゃぶりを咥えたカカシが笑う。
輝く銀髪に左眼をまたいだ裂傷と言うただでさえド派手な見てくれに、身長はゆうに180センチを超える大男だ。
そんな男がおしゃぶりなど咥えて歩いているものだから、周囲の注目を集めないわけがない。
チラチラと感じる視線を物ともせず、カカシが上機嫌で口元のおしゃぶりを指さした。
「ダイエットにこんなものを使うなんて、可愛いよねぇ」
「…可愛いっすか?」
「可愛いじゃない。あぁ、実際にイルカさんが咥えているところを見せてもらえばよかったよ」
「はぁ?」
「あのぎゅーっと引き結んだ唇がどうやって咥えるのか、想像しただけでゾクゾクしちゃうよねぇ」
「あんたなぁ……」
いつかオレのもしゃぶってくれるかな。
カカシが発した最低な言葉に絶句して、ゲンマの口からぽろりと楊枝がこぼれ落ちた。
イラスト)山芋のみそ汁ファイト/めじり様
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