窓からぼんやりと外を眺めていた。
堅牢な石と鋼の塀に囲まれた屋敷の前に現れた男は、門の前でその歩みを止めると、何をするわけでもなく立ち止まった。
カカシはそんな男を見咎め、開け放たれた窓から暫く男の様子を窺った。
「・・・・・」
肩まで伸びる髪は黒く、肌もカカシよりは少し浅黒いように思えた。
時折風で揺れるのを鬱陶しそうにかきあげながら顔を上げた男と視線が重なる。
錯覚ではなく、彼はカカシに気づいたのだろうか?
高鳴る心臓に戸惑いを覚え、そっと自らの胸に手を当ててみる。
とくとくと、静かにだが確実に脈打つ胸の音に小首を傾げ、いまだ動こうとせずに自分を見つめる男に口を開く。
「何してるのさ」
呟いた言葉は届くわけもないのに、佇む男が笑ったように思えた。
意を決して部屋を飛び出し、重厚な屋敷の扉に手をかける。
飛び出してきた少年に少し驚いた顔をした男が、門の前で踵を返そうとした。
「待って!」
「・・・・・」
そう呼びかけるカカシの声に、困ったように小首を傾げる。
そこで初めて、男の顔に派手な傷痕があることに気がついた。
両頬を横切るような裂傷。
随分前に負った傷なのだろう。そこはもう新しい皮膚が盛り上がった状態で完治していた。
「なに・・っ、してるの?」
息を切らして駆けつけて、鉄柵の門を隔てて向かい合う。
最初こそ戸惑った表情を見せた男は、そんなカカシに柔らかな笑顔を見せた。
「ここの子供かな?」
「そうだけど」
「・・・そう、か」
呟く声はどこか懐かしささえ滲んでいて、カカシは両親の知り合いなのかとふと考えた。
「父さんは出かけてるけど」
「いや・・、別に用があるわけじゃないんだ」
それならば何故ここに立っていたのかと問いかけようとして、まるで慈しむような視線を向ける男に瞳を瞬かせた。
「・・また・・あなたに会えた・・」
「ーーーえ?」
呟く声は本当に小さいものだったけれど、ちゃんとカカシの耳には届いた。
何やら胸騒ぎのする男の表情にもじもじと身体を揺らして、思い切って顔をあげる。
「そんな所に立ってないで、中に入ったら?」
「いや、良いんだ」
門を開こうと錠前に手を伸ばす少年に、微笑む男が首を振る。
「でも・・」
「・・また来るよ」
隙間から伸びた骨ばった手が、カカシの銀髪に触れる。
少し硬くて跳ねた髪をクシャリと撫ぜて、男の口元に優しげな笑みが浮かぶ。
黒い瞳が僅かに膜を張ったように潤むのを見て息を呑み、伏せられた睫毛の影がそれを一瞬にして隠してしまうのを、どうしてだか切なく思った。
見惚れるように男を見上げ、一瞬言葉を失ったカカシは、じゃあねと踵を返した男の背中に声をかけた。
「今度っていつ?」
縋るように駆けた言葉には、答えは返らなくて。
ただ背中をむけたまま振り返りもせずに手を振る男の背中は、少年だったカカシの視線の先からゆっくりと遠ざかっていった。
それから十数年。
季節が移り変わるようにめまぐるしく年月は流れ、たった一度の出会いは幼い子供の記憶から遥か彼方へと消え去ってしまったのだった。
*****
広大な領地を所有するはたけ家は、木の葉の国でも有数の名家だ。
先日父親のサクモを病で亡くし、財産の全てを受け継ぐことになった六代目当主であるカカシは、その膨大な土地の管理や維持に日々忙殺されていた。
「・・もう、手離しちゃおうかな」
「何言ってんですか。さっさとここにサインを」
「お前が書いてよ、ヤマト」
「・・・ご冗談を」
冗談ではない。
実は切実にそう思っていたりするのだが、眼の前の真面目な男は黒目がちな瞳を怒らせて大量の書類をバサリと机に投げ出した。
「この仕事が終わるまで、部屋から出しませんから。そのおつもりで」
「鬼」
「何とでも。旦那様からくれぐれもとの遺言ですからね」
「ったく、父さんも面倒なヤツを押し付けてくれちゃって」
「それはこっちのセリフです」
先代の執事だったヤマトの父親も、早くに亡くなっている。
サクモがいなくなってからは、このだだっぴろい屋敷の中で使用人を除けばほぼ二人っきりで生活していた。
口先だけでなく仕事のできる執事のおかげで身の回りに不自由はしていないものの、ときおりこうして小言を言われることにカカシは少々うんざりして眼の前の男を見やる。
「・・・何ですか?」
「べつに」
憮然とした表情のままそう答え、サラサラと書類にサインする。
今日はもう何枚の書類にこうして自分の名前を書き記したことだろう。
いい加減痺れてきた手首に顔を顰めながら、思わず溜息が漏れる。
「・・・西の離れですが」
「はぁ?」
だから、ヤマトが口にした言葉に魂が抜けたような返事をしたのは何も馬鹿にしたわけではない。
「ちゃんと手を動かしながら聞いて下さいよ」
「うるさいなー」
「サクモ様はきちんと仕事もされて、領地の管理もされていたんですよ」
「はいはい」
「ーーーカカシさん」
「わかったよ、西の離れがどうしたって?」
このまま言い争いをするのは得策ではない。
眉を顰めてそう言うと、片眉をピクリと動かして続きを促した。
「・・あの離れにある館をお貸しすることにしました」
「西の・・って、あのボロ家?」
見た目が古いのはもちろんのこと、外壁は緑の蔦で覆われ、なんともオドロオドロしい雰囲気を纏っていた姿を記憶の隅から引っ張りだす。
カカシが当主になって、一番に取り壊そうかと考えた館だ。
「ボロ家とはなんて言い草ですか。はたけ家が先祖代々から大事に管理し続けていた館を」
「そう言えば聞こえはいいけど、もう何百年経ってると思ってんのよ。手入れとかしてないんじゃないの?」
「サクモ様の代で改修工事を行いましたから、館の中は綺麗になっているかと」
「そうなの?・・・といっても・・、世の中には物好きがいるもんだねぇ・・・」
「なんせ格安物件ですからね。遊ばせておくには勿体無いので人が住んでもらえるとこちらもありがたいことですし」
「・・まぁ、そうだけど・・」
あんな廃墟みたいなトコロ。と、呆れて銀髪をガシガシと掻く。
この話は終わりだと言うように欠伸をしたカカシに、それではと、ヤマトが書類を引っ張りだして提示した。
「賃貸人の名前はうみのイルカさん。職業は教師だそうですよ」
「・・・教師」
「なんでもあの離れで子供たちに勉強を教えるとか仰ってましたが」
「ふーん」
「先輩も子供たちと一緒に教育されなおしてこられたらどうですか」
「あのねぇ、ヤマト」
むうっと眉を潜めたカカシに、大仰に驚いたふりをしてヤマトが口を開く。
「わかってますよ。先輩の長所はその頭と顔の良さだけですから」
「ちょっと」
アカデミーを飛び級で進級し、異例の速さで卒業したカカシに、同じくアカデミーを飛び級した優秀な執事が嫌味混じりの溜息を漏らす。
「あぁ、先輩が教育されるべきはまた別のトコロでした」
「ーーそろそろ怒るよ」
声色に剣呑な響きが混ざったのを感じて、ヤマトがフンっと鼻を鳴らす。
引き際を知っているのもこの男が優秀な執事である所以だ。
それにしても、と。カカシは手元の書類を胡乱げな視線で眺めた。
あのボロ家に住もうだなんて、このうみのイルカという人物はよほど変人なのだろう。
そう思うと少し興味が湧いた。
「お前は会ったの?」
「誰にですか?」
「このうみのって人よ」
「えぇ、契約の時に立ち会いましたから。・・そもそも本来ならあなたが・・」
「ーーー分かった、分かった。任せて悪かったよ。で? どんな人物だって?」
「そうですね。・・・年の頃はボク達とそう変わらないかと。中肉中背で、どちらかというと骨太な好青年・・」
「は?」
「え?」
「男なの?」
「だれが女性だと言いましたか」
「名詞に-a(ア)が付きゃ女だと思うじゃないッ!」
「うわっ。女性だと思ったから興味を持ったんですか? 相変わらずの節操なしですね。そんな事だからはたけ家の当主は女性にだらしないなんて社交界で不本意な噂をたてられるんですよ」
一気に捲し上げられ、心底蔑んだ視線にさらされて鼻白む。
別に女にだらしないわけじゃない。来るもの拒まずのスタンスでいたら、そんな噂を流されただけの話だ。
「とにかく、先方も一度領主様にご挨拶をと仰ってたので、近々ここに来られるかと思いますよ」
「・・・・・」
「センパイ?」
「・・・・・」
まだ憮然とした表情のまま書類を睨むカカシに、またなにやら良からぬことでも考えてなきゃ良いと思いながら、ヤマトはコツコツと書面を叩いた。
「ここへサインを」
「・・ん」
サラリとペンを走らせて、隣り合う契約書のサインを見やる。
肉厚で、伸びやかな文字だ。
教師らしく正確に綴られたその名前を見つめて、ふむと頬杖を付いた。
こんな大らかそうな文字を書く人があの化物でも出そうな屋敷にと思うと、再びムクリと興味の種が芽吹く。
挨拶に来るのを待つなんて、とてもじゃないがもどかしい気がした。
「ふふっ」
もとより退屈な毎日だ。
うみのイルカという人物の登場は、繰り返しの日常の中に新しい風を吹き込みたいと思っていたカカシの心に好奇心という小さな光を灯した。
「・・・・・」
契約書を眺めてほくそ笑む領主に不安げな視線を投げかけながら、ヤマトはカカシに聞こえないように、ほんの微かだが溜息を漏らした。
堅牢な石と鋼の塀に囲まれた屋敷の前に現れた男は、門の前でその歩みを止めると、何をするわけでもなく立ち止まった。
カカシはそんな男を見咎め、開け放たれた窓から暫く男の様子を窺った。
「・・・・・」
肩まで伸びる髪は黒く、肌もカカシよりは少し浅黒いように思えた。
時折風で揺れるのを鬱陶しそうにかきあげながら顔を上げた男と視線が重なる。
錯覚ではなく、彼はカカシに気づいたのだろうか?
高鳴る心臓に戸惑いを覚え、そっと自らの胸に手を当ててみる。
とくとくと、静かにだが確実に脈打つ胸の音に小首を傾げ、いまだ動こうとせずに自分を見つめる男に口を開く。
「何してるのさ」
呟いた言葉は届くわけもないのに、佇む男が笑ったように思えた。
意を決して部屋を飛び出し、重厚な屋敷の扉に手をかける。
飛び出してきた少年に少し驚いた顔をした男が、門の前で踵を返そうとした。
「待って!」
「・・・・・」
そう呼びかけるカカシの声に、困ったように小首を傾げる。
そこで初めて、男の顔に派手な傷痕があることに気がついた。
両頬を横切るような裂傷。
随分前に負った傷なのだろう。そこはもう新しい皮膚が盛り上がった状態で完治していた。
「なに・・っ、してるの?」
息を切らして駆けつけて、鉄柵の門を隔てて向かい合う。
最初こそ戸惑った表情を見せた男は、そんなカカシに柔らかな笑顔を見せた。
「ここの子供かな?」
「そうだけど」
「・・・そう、か」
呟く声はどこか懐かしささえ滲んでいて、カカシは両親の知り合いなのかとふと考えた。
「父さんは出かけてるけど」
「いや・・、別に用があるわけじゃないんだ」
それならば何故ここに立っていたのかと問いかけようとして、まるで慈しむような視線を向ける男に瞳を瞬かせた。
「・・また・・あなたに会えた・・」
「ーーーえ?」
呟く声は本当に小さいものだったけれど、ちゃんとカカシの耳には届いた。
何やら胸騒ぎのする男の表情にもじもじと身体を揺らして、思い切って顔をあげる。
「そんな所に立ってないで、中に入ったら?」
「いや、良いんだ」
門を開こうと錠前に手を伸ばす少年に、微笑む男が首を振る。
「でも・・」
「・・また来るよ」
隙間から伸びた骨ばった手が、カカシの銀髪に触れる。
少し硬くて跳ねた髪をクシャリと撫ぜて、男の口元に優しげな笑みが浮かぶ。
黒い瞳が僅かに膜を張ったように潤むのを見て息を呑み、伏せられた睫毛の影がそれを一瞬にして隠してしまうのを、どうしてだか切なく思った。
見惚れるように男を見上げ、一瞬言葉を失ったカカシは、じゃあねと踵を返した男の背中に声をかけた。
「今度っていつ?」
縋るように駆けた言葉には、答えは返らなくて。
ただ背中をむけたまま振り返りもせずに手を振る男の背中は、少年だったカカシの視線の先からゆっくりと遠ざかっていった。
それから十数年。
季節が移り変わるようにめまぐるしく年月は流れ、たった一度の出会いは幼い子供の記憶から遥か彼方へと消え去ってしまったのだった。
*****
広大な領地を所有するはたけ家は、木の葉の国でも有数の名家だ。
先日父親のサクモを病で亡くし、財産の全てを受け継ぐことになった六代目当主であるカカシは、その膨大な土地の管理や維持に日々忙殺されていた。
「・・もう、手離しちゃおうかな」
「何言ってんですか。さっさとここにサインを」
「お前が書いてよ、ヤマト」
「・・・ご冗談を」
冗談ではない。
実は切実にそう思っていたりするのだが、眼の前の真面目な男は黒目がちな瞳を怒らせて大量の書類をバサリと机に投げ出した。
「この仕事が終わるまで、部屋から出しませんから。そのおつもりで」
「鬼」
「何とでも。旦那様からくれぐれもとの遺言ですからね」
「ったく、父さんも面倒なヤツを押し付けてくれちゃって」
「それはこっちのセリフです」
先代の執事だったヤマトの父親も、早くに亡くなっている。
サクモがいなくなってからは、このだだっぴろい屋敷の中で使用人を除けばほぼ二人っきりで生活していた。
口先だけでなく仕事のできる執事のおかげで身の回りに不自由はしていないものの、ときおりこうして小言を言われることにカカシは少々うんざりして眼の前の男を見やる。
「・・・何ですか?」
「べつに」
憮然とした表情のままそう答え、サラサラと書類にサインする。
今日はもう何枚の書類にこうして自分の名前を書き記したことだろう。
いい加減痺れてきた手首に顔を顰めながら、思わず溜息が漏れる。
「・・・西の離れですが」
「はぁ?」
だから、ヤマトが口にした言葉に魂が抜けたような返事をしたのは何も馬鹿にしたわけではない。
「ちゃんと手を動かしながら聞いて下さいよ」
「うるさいなー」
「サクモ様はきちんと仕事もされて、領地の管理もされていたんですよ」
「はいはい」
「ーーーカカシさん」
「わかったよ、西の離れがどうしたって?」
このまま言い争いをするのは得策ではない。
眉を顰めてそう言うと、片眉をピクリと動かして続きを促した。
「・・あの離れにある館をお貸しすることにしました」
「西の・・って、あのボロ家?」
見た目が古いのはもちろんのこと、外壁は緑の蔦で覆われ、なんともオドロオドロしい雰囲気を纏っていた姿を記憶の隅から引っ張りだす。
カカシが当主になって、一番に取り壊そうかと考えた館だ。
「ボロ家とはなんて言い草ですか。はたけ家が先祖代々から大事に管理し続けていた館を」
「そう言えば聞こえはいいけど、もう何百年経ってると思ってんのよ。手入れとかしてないんじゃないの?」
「サクモ様の代で改修工事を行いましたから、館の中は綺麗になっているかと」
「そうなの?・・・といっても・・、世の中には物好きがいるもんだねぇ・・・」
「なんせ格安物件ですからね。遊ばせておくには勿体無いので人が住んでもらえるとこちらもありがたいことですし」
「・・まぁ、そうだけど・・」
あんな廃墟みたいなトコロ。と、呆れて銀髪をガシガシと掻く。
この話は終わりだと言うように欠伸をしたカカシに、それではと、ヤマトが書類を引っ張りだして提示した。
「賃貸人の名前はうみのイルカさん。職業は教師だそうですよ」
「・・・教師」
「なんでもあの離れで子供たちに勉強を教えるとか仰ってましたが」
「ふーん」
「先輩も子供たちと一緒に教育されなおしてこられたらどうですか」
「あのねぇ、ヤマト」
むうっと眉を潜めたカカシに、大仰に驚いたふりをしてヤマトが口を開く。
「わかってますよ。先輩の長所はその頭と顔の良さだけですから」
「ちょっと」
アカデミーを飛び級で進級し、異例の速さで卒業したカカシに、同じくアカデミーを飛び級した優秀な執事が嫌味混じりの溜息を漏らす。
「あぁ、先輩が教育されるべきはまた別のトコロでした」
「ーーそろそろ怒るよ」
声色に剣呑な響きが混ざったのを感じて、ヤマトがフンっと鼻を鳴らす。
引き際を知っているのもこの男が優秀な執事である所以だ。
それにしても、と。カカシは手元の書類を胡乱げな視線で眺めた。
あのボロ家に住もうだなんて、このうみのイルカという人物はよほど変人なのだろう。
そう思うと少し興味が湧いた。
「お前は会ったの?」
「誰にですか?」
「このうみのって人よ」
「えぇ、契約の時に立ち会いましたから。・・そもそも本来ならあなたが・・」
「ーーー分かった、分かった。任せて悪かったよ。で? どんな人物だって?」
「そうですね。・・・年の頃はボク達とそう変わらないかと。中肉中背で、どちらかというと骨太な好青年・・」
「は?」
「え?」
「男なの?」
「だれが女性だと言いましたか」
「名詞に-a(ア)が付きゃ女だと思うじゃないッ!」
「うわっ。女性だと思ったから興味を持ったんですか? 相変わらずの節操なしですね。そんな事だからはたけ家の当主は女性にだらしないなんて社交界で不本意な噂をたてられるんですよ」
一気に捲し上げられ、心底蔑んだ視線にさらされて鼻白む。
別に女にだらしないわけじゃない。来るもの拒まずのスタンスでいたら、そんな噂を流されただけの話だ。
「とにかく、先方も一度領主様にご挨拶をと仰ってたので、近々ここに来られるかと思いますよ」
「・・・・・」
「センパイ?」
「・・・・・」
まだ憮然とした表情のまま書類を睨むカカシに、またなにやら良からぬことでも考えてなきゃ良いと思いながら、ヤマトはコツコツと書面を叩いた。
「ここへサインを」
「・・ん」
サラリとペンを走らせて、隣り合う契約書のサインを見やる。
肉厚で、伸びやかな文字だ。
教師らしく正確に綴られたその名前を見つめて、ふむと頬杖を付いた。
こんな大らかそうな文字を書く人があの化物でも出そうな屋敷にと思うと、再びムクリと興味の種が芽吹く。
挨拶に来るのを待つなんて、とてもじゃないがもどかしい気がした。
「ふふっ」
もとより退屈な毎日だ。
うみのイルカという人物の登場は、繰り返しの日常の中に新しい風を吹き込みたいと思っていたカカシの心に好奇心という小さな光を灯した。
「・・・・・」
契約書を眺めてほくそ笑む領主に不安げな視線を投げかけながら、ヤマトはカカシに聞こえないように、ほんの微かだが溜息を漏らした。
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