「結構です。お疲れ様でした」
「おう、サンキュ」
いつものごとく報告書を受け取って、確認した後に印を押した。
あれから暫くカカシには会っていない。
受付権限で閲覧した任務履歴にも載っていないから、きっと火影勅命の任務・・・すなわち暗部として里外にでも出ているのだろう。
「・・・・・」
カカシのことを冷静に考えるのにはいい時間だと思えた。
冷静に・・なんて、考えれば考えるほど叫びだしそうな事をされたわけだが、幸いな事に最後まではやってしまっていない。
閨に引きずり込まれればそのまま食われると噂の上忍も、流石に男相手では二の足を踏むのか、イルカの尻はまだ無事だった。
まぁ、口に含まれたり擦られたりはしたわけだが、最後の砦とも言えるその場所は守られたわけだ。
指を挿れられた事をわざと記憶の中から抹消して、イルカはブルブルと頭を振った。
元からそんなに親密な付き合いをしていたわけではない。
カカシから会いに来なければ、顔も合わせることもないのだと気づいたのは最近のことだ。
あの冷たい目が、不意に優しく緩む瞬間。
戦場での姿と違い、言葉少なな彼の子供みたいな喋り方を思い出すだけで胸がドキリと小さく跳ねる。
今もこうしていつもより速い鼓動に戸惑いながらも、頭のなかではその気持を頑固に否定する。
やめろ、考えるな。
コレは警告だと必死に言い聞かせた。
だけど思い出すのは触れた指の熱さや呼吸、重ねた唇の柔らかさで。
あの整った顔が眼の前で微笑んだところを思い出して、ボフンと血流が頭のてっぺんまで上昇した。
「・・よぉ、真っ赤な顔して大丈夫か?」
「なんかやらしい想像でもしてんじゃねーか」
ピラピラと眼の前で手を振られ、ハタとここが報告所であることに気がついた。
「ゲンマさん・・っと、ライドウさん」
「ったく腑抜けた面して」
「女かよ、イルカ」
いつも咥えている楊枝を上下させながらニヤリと笑うと、ベストの中から一枚の用紙を取り出した。
「頼む」
Aランク。特別上忍の彼らにしては通常の任務だが、やけに細かく書かれた内容に首を傾げた。
「お疲れ様です。これ・・ツーマンセルですか?」
「んー・・・まぁ、そんなとこだ」
言葉を濁すのは別の部隊との合同任務。一緒に届けは出ていないからこの任務は・・と考え、カカシも一緒だったのではないかと思った。
けれどそれを口にしてはいけないし、ゲンマたちも報告書に書かれていること以外は答えてはくれないだろう。
少し残念に思いながら受付のサインをし、ぽんっと受領印をおして完了済みの箱に入れる。
「確認しました。不備はありません。ゆっくり身体を休めてください」
「よし! やっと休みだ」
「お前帰る最中からそればっかな」
「呑んで帰るだろ? ゲンマ」
「・・・・」
「おい、なんでそこで無言になんだよ。女のところなんて行かせねーぞ、一杯付き合え」
「任務で顔つき合わせて、里でもってお前よぉ」
「んだと! あ、じゃあイルカも来い!」
「は!?」
「イルカはまだ仕事中だっての」
「じゃあ終わってから来いよ、此花屋な」
「ちょ、ちょっとライドウさんっ!」
電光石火。そう言い放ちざまに報告所を後にする二人をイルカはぽかんとしたまま見送った。
行かなくても文句は言われないだろうが、特上の彼らと呑むのは久しぶりのことだった。
それに、カカシの話も聞けるかもしれないしな。
そう思えば自然に顔の表情も緩んでくる。
「とりあえず、ちゃっちゃと片付けるか」
ピッチの速いライドウが酔いつぶれる前に合流すべく、書類を捌く手を早めるのだった。
「おう、サンキュ」
いつものごとく報告書を受け取って、確認した後に印を押した。
あれから暫くカカシには会っていない。
受付権限で閲覧した任務履歴にも載っていないから、きっと火影勅命の任務・・・すなわち暗部として里外にでも出ているのだろう。
「・・・・・」
カカシのことを冷静に考えるのにはいい時間だと思えた。
冷静に・・なんて、考えれば考えるほど叫びだしそうな事をされたわけだが、幸いな事に最後まではやってしまっていない。
閨に引きずり込まれればそのまま食われると噂の上忍も、流石に男相手では二の足を踏むのか、イルカの尻はまだ無事だった。
まぁ、口に含まれたり擦られたりはしたわけだが、最後の砦とも言えるその場所は守られたわけだ。
指を挿れられた事をわざと記憶の中から抹消して、イルカはブルブルと頭を振った。
元からそんなに親密な付き合いをしていたわけではない。
カカシから会いに来なければ、顔も合わせることもないのだと気づいたのは最近のことだ。
あの冷たい目が、不意に優しく緩む瞬間。
戦場での姿と違い、言葉少なな彼の子供みたいな喋り方を思い出すだけで胸がドキリと小さく跳ねる。
今もこうしていつもより速い鼓動に戸惑いながらも、頭のなかではその気持を頑固に否定する。
やめろ、考えるな。
コレは警告だと必死に言い聞かせた。
だけど思い出すのは触れた指の熱さや呼吸、重ねた唇の柔らかさで。
あの整った顔が眼の前で微笑んだところを思い出して、ボフンと血流が頭のてっぺんまで上昇した。
「・・よぉ、真っ赤な顔して大丈夫か?」
「なんかやらしい想像でもしてんじゃねーか」
ピラピラと眼の前で手を振られ、ハタとここが報告所であることに気がついた。
「ゲンマさん・・っと、ライドウさん」
「ったく腑抜けた面して」
「女かよ、イルカ」
いつも咥えている楊枝を上下させながらニヤリと笑うと、ベストの中から一枚の用紙を取り出した。
「頼む」
Aランク。特別上忍の彼らにしては通常の任務だが、やけに細かく書かれた内容に首を傾げた。
「お疲れ様です。これ・・ツーマンセルですか?」
「んー・・・まぁ、そんなとこだ」
言葉を濁すのは別の部隊との合同任務。一緒に届けは出ていないからこの任務は・・と考え、カカシも一緒だったのではないかと思った。
けれどそれを口にしてはいけないし、ゲンマたちも報告書に書かれていること以外は答えてはくれないだろう。
少し残念に思いながら受付のサインをし、ぽんっと受領印をおして完了済みの箱に入れる。
「確認しました。不備はありません。ゆっくり身体を休めてください」
「よし! やっと休みだ」
「お前帰る最中からそればっかな」
「呑んで帰るだろ? ゲンマ」
「・・・・」
「おい、なんでそこで無言になんだよ。女のところなんて行かせねーぞ、一杯付き合え」
「任務で顔つき合わせて、里でもってお前よぉ」
「んだと! あ、じゃあイルカも来い!」
「は!?」
「イルカはまだ仕事中だっての」
「じゃあ終わってから来いよ、此花屋な」
「ちょ、ちょっとライドウさんっ!」
電光石火。そう言い放ちざまに報告所を後にする二人をイルカはぽかんとしたまま見送った。
行かなくても文句は言われないだろうが、特上の彼らと呑むのは久しぶりのことだった。
それに、カカシの話も聞けるかもしれないしな。
そう思えば自然に顔の表情も緩んでくる。
「とりあえず、ちゃっちゃと片付けるか」
ピッチの速いライドウが酔いつぶれる前に合流すべく、書類を捌く手を早めるのだった。
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1頁目
【恋は銀色の翼にのりて】
恋は銀色の翼にのりて
恋の妙薬
とある晴れた日に
【Home Sweet Home】
Home Sweet Home
もう一度あなたと恋を
夜に引き裂かれても
恋は銀色の翼にのりて
恋の妙薬
とある晴れた日に
【Home Sweet Home】
Home Sweet Home
もう一度あなたと恋を
夜に引き裂かれても
2頁目
【幼馴染】
幼馴染
戦場に舞う花
【白銀の月よ】
白銀の月よ
愛しい緑の木陰よ
それゆけ!湯けむり木の葉会
あなたの愛になりたい
幼馴染
戦場に舞う花
【白銀の月よ】
白銀の月よ
愛しい緑の木陰よ
それゆけ!湯けむり木の葉会
あなたの愛になりたい
3頁目
【その他】
Beloved One(オメガバース)
ひとりにしないで(オメガバース)
緋色の守護者(ファンタジー)
闇を駆け抜ける力(人外)
特別な愛の歌(ヤマイル風カカイル)
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Beloved One(オメガバース)
ひとりにしないで(オメガバース)
緋色の守護者(ファンタジー)
闇を駆け抜ける力(人外)
特別な愛の歌(ヤマイル風カカイル)
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